OMのしくみ
OMソーラーは、屋根で受けた太陽の「熱」を「空気」に伝え、その空気で家を温めたり、お湯をつくったりします。原理はとてもシンプルですが、建物自体をしくみとして利用するため、暖房器具のようにポンと設置することはできません。設計段階から太陽熱利用を考えていきます。
OMソーラーの原理
太陽エネルギーは、「うすく、ひろく、まんべんなく」降り注いでいます。そこから得られる太陽熱は、高温ではありませんが、クリーンで安全で平等なエネルギーです。これを、気候も周辺環境も異なる一軒一軒の家で、家の形状や設計を工夫して最大限に受け止めて利用するのがOMの家づくりです。その原理は、熱を「集めて、貯めて、逃がさない」です。
OMの家に限らず、建物は、建物自体が一定の熱を蓄えながら、外界から熱を吸収したり、熱を奪われたり、ということを繰り返しています。そして、この熱のやり取りのバランスによって、室内の温熱環境が決まります。
OMソーラーでは、この目には見えない熱や空気のやり取りを上手に出来るようにするために、地域の気象データを読み込んで設計に活かしたり、仕様を工夫したり、また、家を建てる前にそれらの決定事項を元にシミュレーションを行い、性能を予測したりしながら、家づくりを進めていきます。
昼間得られる太陽の熱を集められるだけ集めて、それを貯めて、熱が得られない夜から翌朝も大事に使っていく。一日を通して少しずつ太陽の恵みをいただくことで、ほどほどながらも室温の変動が少ないやわらかな室内気候が実現します。
OMソーラー・冬のしくみ
冬の陽だまりの心地よさは、格別なものがあります。この心地良さを家全体に取り込み、太陽熱によるやわらかな床暖房を実現するのがOMソーラーの床暖房です。
しくみとしては、まず軒先から新鮮な外気を取り込み、屋根全体を温めます。屋根の下には、空気の通り道となる集熱空気層が設けられており、空気は、温められながら秒速数cm~十数cm程度の速度でゆっくりとこの道を上昇していきます。地域や季節の条件によってちがいますが、冬の快晴の日であれば、集熱温度は約60℃ほどにもなります。
屋根の上部に張ってあるガラスは、普通の強化ガラス。このガラスの「温室」のような働きで、空気の温度はさらに高くなり、屋根の最上部に設けた棟ダクトに集まります。この熱い空気を、ハンドリングボックスの中のファンで床下空間へと送ります。
立ち下がりダクトを介して運ばれた熱い空気は、「蓄熱コンクリート」に熱を伝えながらゆっくりと床下へ拡がり、床吹き出し口から室内に流れ込みます。昼間は窓を通しての日射も得られるため、集めた熱のうち必要な分だけを室内にまわして室温を高め、残りの熱は夜から翌朝のために蓄えておきます。夕方、外気温の低下とともに、昼間蓄熱コンクリートに蓄えた熱はゆっくりと放熱をはじめ、床全体を温めます。
なお、空気を温めて建物全体に行き渡らせるしくみであるOMソーラーは、建物を温めているとき、常に外気を取り込むため、換気を促進させることも大きな特徴です。
OMソーラー・夏のしくみ
春から秋にかけては、太陽の熱を利用して「お湯採り」ができます。
「お湯採り」とは、熱い空気がハンドリングボックス内のお湯採りコイルの中を循環する不凍液を温め、温まった不凍液を貯湯槽へ循環させて水を温めるしくみです。
また、お湯採りに使って余った熱は、排気ダクトを通り、排気口から外へ出します。屋根面の下を強制排気すると、排熱された量に比例して、室内に入りこむ日射熱を減らすことができます。
お湯採りは、地域によって差がありますが、春から秋にかけて30~50℃のお湯が1日約300リットルとれます。雨が降るなどして太陽の熱が期待できず、貯湯槽内の水の温度が低いときには、給湯ボイラーで追い炊きが必要になりますが、この場合も、水温はある程度高くなるので、お湯を沸かす際の燃焼エネルギーが少なくて済みます。
たとえば、15℃の水から40℃のお湯をつくるのと、35℃のぬるま湯からつくるのとでは、必要なエネルギーは5000kcal以上の差が出ます。
OMソーラーの家での夏は、暑さ対策として通風、日射遮蔽などのパッシブな工夫を基本に、扇風機や冷房などを組み合わせます。これに加え、夏の晴れた日の夜は、放射冷却によって屋根が冷えるのを利用して、温度の下がった空気を室内に取り込む「夜間外気取り込み」を行います。「冷房」とまではいかないものの、少しでも涼しい空気を取り込み、寝苦しくない夜を過ごそうというOMソーラーからの提案です。
また昼間は暑い外気をそのまま室内に入れるのではなく、床下を経由させることで、土間コンクリートに蓄えられた冷熱を利用して、外気温よりも低い温度の空気を室内(床上空間)に送るしくみです。常に外気を取り込むため、室内の温度を抑えながら換気できます。機械的な冷房のようにはいきませんが、夜間外気取り込みを併用することで、より効果的に自然エネルギーを利用できます。
※いずれも効果は地域や立地条件により異なります。


